育児休業の社会保険料、免除の制度はどうなっている?

この記事でわかること
  • 育児休業中の社会保険料免除の制度を知る
  • 忘れず手続きをして社会保険料の負担を減らす
  • 手続きは、いつまでに行う必要がありますか?など

基礎知識

育児休業中は、収入が減り支出が増えます。その期間の社会保険料の負担を抑えるため、正しく手続きを行います。

言葉の定義

育児休業の社会保険料の免除とは、3歳未満の子どもがいる従業員が育児休業を取得するときに、企業と従業員それぞれが負担する健康保険料(介護保険料含む)・厚生年金保険料が免除される制度です。
企業が免除手続きを行う必要があり、育児休業を取得した月から育児休業が終了した日の翌日が含まれる月の前月までが、社会保険料免除期間となります。社会保険料が免除されている期間中も、健康保険や厚生年金の資格には変更はなく、将来の年金額を計算するときは免除期間も保険料を収めた期間として扱われます。

なぜ必要?

社会保険料の免除の手続きを行わないと、育児休業中も、企業と従業員それぞれに社会保険料の負担が発生します。忘れずに企業から届出を行わなければなりません。

リスク

免除手続きを忘れると、年金事務所から通常通り企業へ請求があるため、納付義務が発生します。

対象企業

社会保険に加入している従業員がいる企業

対象者

社会保険に加入している役員、従業員

実施期間

育児休業を取得する申出の都度
育児休業の取得日や取得期間が変更になったとき

メリット

企業と従業員それぞれの社会保険料負担が軽減される

やること

従業員から育児休業の申請を受ける

育児休業の申請は「育児休業申出書(任意書式)」で書面で提出をしてもらいます。
法令で定められている育児休業または、就業規則などで企業ごとに決めれている育児休業の取得者条件に該当するか確認をします。

POINT

女性は、出産後8週間は産後休業となるため、産後休業が終了してからが育児休業の期間となります。一方男性は、出産(予定)日からが育児休業の期間となります。

「育児休業取扱通知書(任意書式)」を作成し、従業員に渡す

育児休業取扱通知書は、育児休業期間、休業中の給与などの取扱い、復職時の労働条件などを記載した書面です。
育児休業の取得者条件に該当しないときは、理由を記載して通知します。

従業員が育児休業に入った後「健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届」を作成する

「健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届」は、日本年金機構のサイトからダウンロードできます。書類の共通記載欄(新規申出)の欄に必要事項を記載して企業が申請をします。

日本年金機構から届いた確認通知書(健康保険・厚生年金保険育児休業取得者確認通知書)を確認する

日本年金機構から確認通知書が届いたら、記載されている育児休業等開始年月日、育児休業等終了予定年月日が正しいかを確認します。
育児休業の社会保険料免除期間は、月単位で計算します。社会保険料免除期間は、育児休業を取得した月から育児休業が終了した日の翌日が含まれる月の前月までです。

【例】
出産日        :2019年10月4日
産前産後休業期間   :2019年8月24日~11月29日
育児休業期間     :2019年11月30日~2020年10月3日
育児休業の終了日の翌日:2020年10月4日
社会保険免除期間   :2019年11月~2020年9月

育児休業の終了日が予定より後ろの日付になったときは、「健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届」を作成し直し、再手続きを行う

育児休業の終了日が予定していた日程と異なるときは、再度手続きが必要です。書類はSTEP3と同じ「健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届」で、「共通記載欄(新規申出)」と「A.延長欄」に必要事項を記載します。

添付書類:なし
申請先:管轄の年金事務所または事務センター
提出方法:郵送または持参 ※事務センターは郵送のみの受付

書類を提出すると確認通知書(健康保険・厚生年金保険育児休業取得者確認通知書)が届くので、期間の変更ができたか確認します。

育児休業の終了日が予定より早くなったときは、「健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届」を作成し直し、再手続きを行う

申請していた育児休業の終了日よりも前に復職が決まった場合は、「健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届」の「共通記載欄(新規申出)」と「B.終了欄」に必要事項を記載します。

添付書類:なし
申請先:管轄の年金事務所または事務センター
提出方法:郵送または持参 ※事務センターは郵送のみの受付

書類をを提出すると確認通知書(健康保険・厚生年金保険育児休業取得者確認通知書)が届くので、期間の変更ができたか確認します。

 

よくある質問

Q:手続きは、いつまでに行う必要がありますか?

従業員が育児休業を取得している間に行います。
社会保険料免除の手続きが漏れると、育児休業期間中も社会保険料の支払いが発生するため、育児休業に入ったらすぐに手続されることをおすすめします。

Q:育児休業中も5割の給与を支給しています。給与を支給しているときは社会保険料は免除されないのでしょうか?

免除されます。
育児休業中に、従業員へ給与を支給している・していないに関わらず、所定の手続きを行えば育児休業中の社会保険料は免除されます。毎月発生する社会保険料だけではなく、育児休業中の社会保険料免除期間に支払われた賞与にかかる社会保険料も免除になります。ただし、育児休業中の雇用保険料は免除されませんので、給与・賞与を支払ったら、雇用保険料の控除を忘れないようにしましょう。

また、育児休業中の社会保険料免除に関しては、ハローワークで手続きし支給される「育児休業給付金」とは取扱いが異なります。育児休業中に短時間勤務した従業員に給与支払いをすると、育児休業給付金が支給されないときもあるので注意してください。

Q:役員が育児休業を取得しても社会保険料は免除できますか?

免除できません。
育児休業は法律上、従業員のみ適用される制度です。そのため、役員の方が育児休業を取得しても社会保険料の免除の対象にはなりません。ただし、役員でも産前産後休業中の社会保険料は免除可能です。

Q:男性が育児休業を取得しても、社会保険料は免除されますか?

免除されます。
男性、女性問わず、企業で社会保険に加入している従業員であれば育児休業の社会保険料の免除対象になります。

Q:育児休業に入って6か月経っています。社会保険料の免除の手続きを遡って行いました。払いすぎている社会保険料は、返還してもらえますか?

返還してもらえます。
手続きが遅れたことで企業が払い過ぎてしまった社会保険料は、毎月支払っている社会保険料から自動的に相殺をしてくれます。「健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届」を提出していれば、相殺や還付が必要な企業に対して、日本年金機構から書面で通知が送られるので、確認をして下さい。

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難易度と必要性
難易度
★★☆
必要性
★★★
HRbase Solutionsでの、必要性の考え方
法的に必要★★★ / 条件により必要★★☆ / 法的には不要だが会社には必要★☆☆
HRbaseからのアドバイス

育児休業の社会保険料は、従業員に給与を支払っている・支払っていないに関わらず、企業が手続きを行えば免除されます。育児休業は、産前産後休業を含めると1年~2年と長期に取得できますが、社会保険料の免除手続きが漏れやすいので注意しましょう。
社会保険料の免除期間に、誤って社会保険料を従業員の給与から控除することがないよう、あわせて給与計算システムなどの確認もしてください。
また、男性と女性で、育児休業の社会保険料が免除になるタイミングが異なるため、企業から従業員に案内をすることがおすすめです。社会保険料が免除されていても、将来の年金受給額には影響がないため、必ず手続きを行いましょう。

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