- 労働保険で一括されている事業場を確認する手続きと流れ
- 労働保険で一括されている事業場の確認方法を知る
- 「継続一括事業リスト」に事業場の記載がありません。労働保険が成立しているかどうか確認する方法はありますか?など
基礎知識
多店舗展開をしている企業などでは、事業所の管理がおろそかになり、労働保険の成立ができていないことがあります。
言葉の定義
労働保険(労災保険・雇用保険)の一括とは、同じ企業で複数の事業場(本社、支店、営業所など)ごとに成立している労働保険を1つの指定事業(本社など)にまとめることです。事業場が増えたときに適正に手続きが行われず、どの事業場が指定事業に一括されているかわからなくなったら、確認が必要です。
一括には、事業の期間が決まっておらず継続する予定の事業をまとめる「継続事業の一括」と、事業の期間が決まっている事業をまとめる「有期事業の一括」の2種類があります。ここでは「継続事業の一括」について記載しています。
なぜ必要?
労働保険の成立が適正に行われているかどうか確認ができます。
対象企業
継続事業一括を行っているすべての企業
実施期間
随時
やること
労働基準監督署から必要な書類を取り寄せる
指定事業を管轄する労働基準監督署から「労働保険継続事業一括認可確認照会(任意書式)」の書類を取り寄せます。都道府県によって書式が異なるので、労働基準監督署から取り寄せることをおすすめします。
書類を作成し、届出を行う
「労働保険継続事業一括認可確認照会(任意書式)」を作成後、届出を行います。
添付書類:なし
届出先:指定事業を管轄する労働基準監督署または都道府県労働局適用・事務組合課
届出方法:郵送または持参
継続事業の一括をしてるリストが届く
ステップ2で届出した労働基準監督署または労働局より、労働保険を一括している事業場のリスト(継続一括事業リスト)が郵送で届きます。
リストを元に労働保険の成立状況を確認する
継続一括事業リストを元に、一括している事業場を確認し、リストに記載がない事業場を確認します。一括の手続きが漏れているときは手続きを行います。
よくある質問
Q:「継続一括事業リスト」に事業場の記載がありません。労働保険が成立しているかどうか確認する方法はありますか?
あります。
管轄の労働基準監督署へ相談する、または「労働保険適用事業場検索」で成立しているかどうかを調べられます。
参考|厚生労働省サイト
労働保険適用事業場検索
Q:「労働保険継続事業一括認可確認照会(任意書式)」を届出後、どのくらいで「継続一括事業リスト」が送付されてきますか?
1週間前後です。
難易度と必要性
法的に必要★★★ / 条件により必要★★☆ / 法的には不要だが会社には必要★☆☆
HRbaseからのアドバイス
新店オープンなどで忙しいときは、労働保険の成立の手続きが漏れやすく、どのお店の手続きを行ったか、行っていないかわからなくなるケースがあります。そういうときに「継続一括事業リスト」を取り寄せると、一括している事業場がわかるので便利です。あまり一般的には知られていない手続きですが、一括している事業場がわからなくなったときは、ぜひ利用してみてください。
社会保険労務士。株式会社Flucle代表取締役/社会保険労務士法人HRbase代表。労務管理の課題をITで解決できる社会を目指す。HRbase Solutionsは三田をはじめとする社会保険労務士、人事労務の専門家、現場経験の豊富なプロと、記事編集者がチームを組み「正しい情報×徹底したわかりやすさ」にこだわって作り上げているQAサイトです。