- 高年齢者雇用状況等報告書の必要性や概要を知る
- 高年齢者雇用状況等報告書を作成し届出をする
- 届出をしなかったとき、罰則はありますか?など
基礎知識
シニア人材の活用が進んでいます。厚生労働省は毎年、常時雇用で働く従業員が21人以上の企業を対象に、高年齢者の雇用状況等を集計しています。高年齢者雇用状況等報告書の用紙は、従業員数の増減を考慮し、対象者確認時点で雇用保険に加入している人数が20人以上の企業に送付されます。
言葉の定義
高年齢者雇用状況等報告書とは、6月1日時点の高年齢者の雇用状況、企業の定年年齢などをハローワークへ届出するための書類です。
毎年5月下旬~6月初旬に企業に郵送される報告書の書式を使用して、7月15日までに届出をします。
なぜ必要?
高年齢雇用状況等報告書の届出は法令等で定められています。報告書の内容は、国が行う今後の施策などに使われています。
対象企業(報告書の送付)
厚生労働省の対象者確認時点で雇用保険に加入している人数が20人以上の企業
実施期間
書類が届いてから7月15日までに届出する
やること
ハローワークから書類が届く
5月下旬~6月初旬にハローワークから「高年齢者雇用状況等報告書」が郵送で企業へ届きます。報告書はA3サイズで3枚複写になっています。
報告は企業単位で行います。本社以外に支店、営業所があるときは本社でまとめて報告を行います。
就業規則を準備する
高年齢者雇用状況報告書には、企業の「定年年齢」や「継続雇用制度」などについての記載が必要です。改定予定があるかどうかの情報も記載します。定年年齢などを今より上げる予定があるときは予定日も決めます。
65歳以上の創業支援等措置の制度を実施しているまたは実施予定であれば、その内容も記載が必要のため、どういった制度があるかを確認しておきましょう。
企業内の情報を集める
6月1日時点の以下の情報を集めます。
・定年制の状況
・継続雇用制度の状況
・創業支援等措置の実施有無
・創業支援等措置の導入・改定予定
・65歳を超えて働ける制度等の状況
・年齢別の常用雇用の人数
・過去1年間の離職者状況
・過去1年間の定年到達者等の適用状況
(65歳まで働ける制度、65歳を超えて働ける制度など)
・高年齢者雇用等推進者 など
高年齢雇用状況等報告書を作成後、届出を行う
就業規則、企業の情報を高年齢者状況等報告書に記載し作成します。
1、2枚目を届出し、3枚目は企業控えとして保管しておきます。
添付書類:なし
届出期限:7月15日
届出先:管轄のハローワーク
届出方法:郵送または持参
よくある質問
Q:届出をしなかったときは、罰則はありますか?
ありません。
ただし、届出をしなければならないと法令等で定められています。罰則があるかどうかにかかわらず必ず届出をしてください。
Q:「高年齢者雇用等推進者」は選任が必要ですか?
必要ありません。
高年齢者雇用等推進者の選任は努力義務です。つまり、選任するかどうかを企業が決められます。ただし高齢者が働きやすくなるよう職場の見直しなどを行うためにも、選任することが望ましいです。
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難易度と必要性
法的に必要★★★ / 条件により必要★★☆ / 法的には不要だが会社には必要★☆☆
HRbaseからのアドバイス
高年齢者雇用状況等報告書は、毎年、届出しなければならない書類です。年間の業務計画に入れておくようにしましょう。報告後、法令等に沿っていない状況とハローワークが判断したときは企業へ指導などが行われます。指導に従わないときは勧告され、それでも従わないときは企業名を公表されることがあります。法令等に沿って正しく高齢者の雇用や就業支援を行っていれば指導などはありません。制度についてこの機会に見直し、正しく運用できるようにしましょう。
社会保険労務士。株式会社Flucle代表取締役/社会保険労務士法人HRbase代表。労務管理の課題をITで解決できる社会を目指す。HRbase Solutionsは三田をはじめとする社会保険労務士、人事労務の専門家、現場経験の豊富なプロと、記事編集者がチームを組み「正しい情報×徹底したわかりやすさ」にこだわって作り上げているQAサイトです。