従業員の半休にどう対応する?制度導入のポイント

この記事でわかること
  • 半休制度は企業が決められること、メリットとデメリットなど
  • ルールの決め方、運用の注意点、時間の計算方法など
  • 1日の時間をどう分けるかの考え方や、日数制限を設けられるかなど

基礎知識

半休制度を正しく導入し、従業員が柔軟に働ける環境を構築します。

言葉の定義

半休は休暇の1つで、法律で決められているものではありません。運用方法や内容は企業が決めますが、制度として公平になるよう留意します。

対象企業

半休を検討している企業

対象者

対象者として決めた従業員

実施期間

随時

メリット

従業員にとって、柔軟で働きやすい労働環境がととのいます。

デメリット

管理が必要になります。

やること

半休の制度を導入するかどうかを検討する

半休制度は、法律で決まっているものではありません。導入するかどうかは、企業の自由です。

POINT

多くの企業で、半休制度を導入しています。従業員の働きやすさを考え、柔軟な勤務環境を目指すためにも、制度導入を前向きに検討してみましょう。

半休のルールを決める

決める内容は以下を参考にしてください。

①半休を取得できる従業員の範囲(6時間勤務以上、正社員など)
②半休を取得するときの届出方法をどうするか(書面、口頭、メールなど)
③半休を取得したときの届出先(上司、人事部など)
④半休取得を希望するとき、いつまでに届出が必要か(取得する3日前までなど)
⑤皆勤手当を支給しているときの支給の有無(半休を取得したときは支給しないなど)
⑥半休時の、有給休暇の使用の有無

内容を決めたら、就業規則への記載が必要です。(従業員数10名以上の企業であれば、就業規則を改めて労働基準監督署へに届出します)

半休は、決まっている労働時間のきっちり1/2でなくてもかまいません。

例:労働時間が、9:00~17:00(休憩 12:00~13:00)のとき
・午前半休 9:00~13:00
・午後半休 13:00~17:00 

などとすることは可能です。

POINT

このとき、パートなど労働時間がもともと短い従業員を、半休制度に当てはめず、対象者から除外することも可能です。(上記の労働時間の企業で、パートタイマーの労働時間が「10:00~14:00」だったときなど)

半休取得時のルールを、従業員に周知する

半休の制度を決めたら、全従業員に伝わるよう、メールや掲示などの方法で周知します。制度利用時の不明点は誰に聞けばよいか、またいつから実施するかも一緒に伝えておくことをおすすめします。

半休を希望する従業員から、届出を受ける

ルールにそって半休の届出がされているか確認します。対象者を決めているのであれば、対象かどうかも確認します。

運用する

休憩時間や残業時間などに注意して、運用を開始します。

【休憩時間】
半休を取得していても、労働時間によっては勤務中に休憩が必要になります。管理が煩雑になるため、半休使用日の労働時間は、6時間をできるだけ超えないよう管理することをおすすめします。

休憩が必要なとき
・労働時間(休憩除く)が6時間を超える→45分以上の休憩が必要
・労働時間(休憩除く)が8時間を超える→60分以上の休憩が必要

【残業時間】
残業時間は、通常勤務する時間数を超えたところから加算されます。

例:時間単価1,000円の従業員が、午前は8:30~12:30、午後は13:30~17:30の8時間勤務を行ったとき
午前半休を取得して13:30から勤務したときは、実働で8時間までは時間単価1,000円(100%の所定内残業)で計算しますが、8時間を超えたところからは時間外割増(25%)がつくため、時間単価1,250円で計算します。半日単位の有給休暇を取得しているときは、午前半休の4時間分は時間単1,000円で計算します。

給与計算をする

半休を取っている時間分を、給与から控除します。

POINT

半日単位の有給休暇を取得しているときは、控除はしません。

 

よくある質問

Q:半休の時間は、どうやって決めたらよいでしょうか?

大きく3つパターンあります。

①午前・午後でわける
例:勤務時間 8:00~17:00(休憩12:00~13:00)
午前半休 8:00~12:00
午後半休 12:00~17:00

②昼休憩を基準に、午前・午後でわける
例:勤務時間 8:00~17:00(休憩12:00~13:00)
午前半休 8:00~12:00
午後半休 13:00~17:00

③勤務時間でわける(例:4時間単位など)

Q:半休の制度の利用は、正社員のみにできますか?

できます。ただし、正社員以外の従業員を除外するときは、単に「正社員ではないから」という理由ではなく、勤務時間が短く企業が決めた半休の制度に合わない、業務上半休が取得できないなどの理由が必要になります。

Q:半休の日数制限を設けてもよいですか?

かまいません。半休は、企業が自由に内容を決めてよい制度です。

Q:半休のときは、1日分の給与を1/2にして賃金を計算できますか?

半休の時間数によります。たとえば、午前半休、午後半休ともに同じ時間数であれば1/2にできます。午前半休が3時間、午後半休が4時間などであれば、その時間数に応じて控除してください。

ただし、半日単位の有給休暇の制度がある企業で、半日有給休暇を取得するときは、午前半休、午後半休の時間が異なっていても0.5日分の有給休暇を取得したとして処理できます。

Q:半日単位の有給休暇制度を導入しています。半日単位の有給休暇を取得したときは、皆勤手当の支給をなしにできますか?

できません。有給休暇を取得した従業員に対して、不利益な取り扱いをしてはいけません。また、有給休暇の取得を抑制するような制度も認められていません。

ただし、半日単位の有給休暇の取得ではなく、半休の取得で、賃金からその時間分を控除するときは、皆勤手当を支給しないと企業で決めることは可能です。

 

難易度と必要性
難易度
★☆☆
必要性
★☆☆
HRbase Solutionsでの、必要性の考え方
法的に必要★★★ / 条件により必要★★☆ / 法的には不要だが会社には必要★☆☆
HRbaseからのアドバイス

運用の失敗理由に多いのは、「よかれと思い、従業員が自由に半休を取れる仕組みにしたため、勤怠管理が崩れてしまった」というケースです。「誰に、いつまでに、どのような方法で連絡するのか」というルールを明確にして、ルールに沿った運用を心がけてください。半休の届出は口頭ではなく、書面などで履歴を残しましょう。 事前に届出用の書式を用意しておくことをおすすめします。

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