- 障害者雇用状況報告書の作成の流れを知る
- 障害者雇用状況報告書を作成し届出をする
- 「障害者雇用推進者」は選任が必要ですか? など
基礎知識
43.5人以上を常時雇用する企業であれば、必ず提出しなくてはいけない書類です。毎年届く書類を見逃さず、定例のタスクとして考えておきましょう。
言葉の定義
障害者雇用状況報告書とは、6月1日時点の障害者の法定雇用率の達成状況などをハローワークへ届出する書類です。届出が必要なのは、常時雇用する従業員が43.5人以上の企業です。報告書の書式は定められており、毎年5月下旬~6月初旬に企業へ郵送されるので、7月15日までに届出を行います。
なぜ必要?
障害者雇用状況報告書の届出は法令等で定められています。報告書の内容は、国が行う今後の施策などに使われています。
リスク
届出をしなかったり、虚偽の届出をしたときは、法令等で「30万円以下の罰金」に課せられる可能性があります。
対象企業
常時雇用する従業員数43.5人以上のすべての企業
実施期間
書類が届いてから7月15日まで
やること
ハローワークから書類が届く
5月下旬~6月初旬にハローワークから「障害者雇用状況報告書」が郵送で企業へ届きます。報告書はA4サイズで3枚複写になっています。
報告は企業単位で行います。ただし本社以外に事業所(支店、営業所など)があるときは、各事業所ごとの状況を報告書に記載しなければなりません。
企業内の情報を集める
6月1日時点の以下の情報を集めます。本社以外の事業所(支店、営業所など)があるときは、事業所ごとで情報を集めます。
①常用雇用される従業員数
②短時間勤務の従業員数
③障害に応じた従業員数
※身体障害(重度、重度以外)、知的障害(重度、重度以外)、精神障害ごとで数えます。
※障害に応じて常用雇用される従業員、短時間勤務の従業員ごとに集計します。
障害者雇用状況報告書を作成する
必要な項目に記載をし、法定雇用率を計算します。障害者の従業員数が、法定雇用率を満たせているか確認をします。不足しているときは、今後の障害者雇用について検討が必要です。
障害者雇用状況報告書を作成後、届出を行う
企業の情報を障害者雇用状況報告書に記載し作成します。
1、2枚目を届出し、3枚目は企業控えとして保管しておきます。
添付書類:なし
届出期限:7月15日
届出先:管轄のハローワーク
届出方法:郵送または持参
よくある質問
Q:「障害者雇用推進者」は選任が必要ですか?
必要ありません。
障害者雇用推進者の選任は努力義務です。つまり、選任するかどうかは企業が決められます。ただし障害者の雇用を促進や職場の整備などを行うためにも、選任することが望ましいです。
Q:常用雇用の従業員数に含める従業員の年齢に上限はありますか?
ありません。
定年を超えている従業員なども含まれます。
難易度と必要性
法的に必要★★★ / 条件により必要★★☆ / 法的には不要だが会社には必要★☆☆
HRbaseからのアドバイス
企業は、法定雇用率以上の障害者の雇用をしなければなりません。障害者雇用状況報告書は、障害者の雇用や達成率状況を確認する情報として届出が義務づけられています。障害者雇用状況報告書の内容に基づき、必要に応じてハローワークから企業へ指導などが行われます。障害者であるかどうかで雇用を判断するのではなく、多様な人材が能力を発揮できる環境づくりをすることが求められています。この機会に働きやすさ、障害者雇用について検討されることをおすすめします。
社会保険労務士。株式会社Flucle代表取締役/社会保険労務士法人HRbase代表。労務管理の課題をITで解決できる社会を目指す。HRbase Solutionsは三田をはじめとする社会保険労務士、人事労務の専門家、現場経験の豊富なプロと、記事編集者がチームを組み「正しい情報×徹底したわかりやすさ」にこだわって作り上げているQAサイトです。