介護中の深夜労働制限、対象者は?ルールの決め方は?

この記事でわかること
  • 介護中の従業員の深夜労働制限の必要性と対象者
  • 深夜労働の制限の申請フロー
  • 契約社員の申請は拒否できますか?など

基礎知識

深夜労働のある職種も多くありますが、介護中の従業員が求めたときは深夜労働をさせてはいけない決まりがあります。

言葉の定義

従業員が2週間以上の要介護状態の家族の介護をするために、深夜労働の制限を企業へ請求できる制度です。

なぜ必要?

深夜労働の制限は、育児・介護休業法で定められています。従業員と介護が必要な家族が安心して過ごすために必要です。深夜労働の制限は、介護中の従業員に対する配慮義務です。そのため、従業員から取得の希望があれば取得させなければなりません。

リスク

企業が従業員からの深夜労働の制限を拒んだときは法令違反になります。

対象企業

従業員に2週間以上の要介護状態の家族がいるすべての企業

対象者

2週間以上の要介護状態の家族がいる従業員

実施期間

随時

メリット

企業が深夜労働の制限ついて正しく理解し、ルールを決めれば従業員が安心して働くことができます。

やること

就業規則にルールを定め、周知する

就業規則などで深夜労働の制限についての内容を決め、従業員に周知します。

従業員から、深夜労働の制限の申請を受ける

深夜労働の制限を開始日する1か月前までに「介護のための深夜業制限申請書(任意書式)」を提出してもらいます。深夜労働の制限の取得期間は、1か月以上6か月以内の期間です。

POINT

・従業員は2週間以上の要介護状態の家族がいるときは、何度でも深夜労働の制限を申請できます。
・事業の正常な運営を阻害されるときは、深夜労働の制限を拒めるケースもあります。

【対象外になる従業員】
①入社して1年未満の者
②深夜に常に介護が必要な家族の面倒が同居の家族がいる者
③勤務日が1週間あたり2日以下の者
④所定労働時間のすべてが深夜である者
⑤日々雇用される従業員

深夜労働の制限を申請する期間などを社内に周知する

深夜労働の制限を従業員が申請した後、申請した期間などを社内に周知して、業務に支障が出ないよう調整します。

深夜労働の制限を実施する

深夜労働の制限を実施します。残業や人手不足のときに、制限した本人が深夜労働を行うなど誤った運用になっていないか、随時確認を行います。

深夜労働の制限が終了する

従業員が申請した深夜労働の制限期間の終了日の翌日から深夜労働を行わせることができます。申請された期間以外で深夜労働の制限を終了するのは以下のときです。

①介護が不要になったとき(離婚、死亡、親族関係の消滅など)
②従業員が、ケガや病気で家族の介護ができなくなったとき

よくある質問

Q:契約社員の深夜労働の制限申請は拒否できますか?

できません。

Q:深夜労働の制限の期間は延長できますか?

延長できます。
2週間以上の要介護状態の家族に対する介護が必要であれば、何度でも延長可能です。

Q:従業員からの深夜労働の制限の申請の方法は書面以外にありますか?

あります。
書面での通知の他、FAX、Eメールやクラウドシステムによる提出も認められています。
ただし、企業および従業員が申請に関する内容を書面で出力できるよう作成されたものに限ります。

Q:回数を制限できますか?

できません。

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難易度と必要性
難易度
★☆☆
必要性
★★★
HRbase Solutionsでの、必要性の考え方
法的に必要★★★ / 条件により必要★★☆ / 法的には不要だが会社には必要★☆☆
HRbaseからのアドバイス

深夜労働の制限は、従業員が深夜に家族の介護ができるようつくられた制度です。働きながら介護をサポートする制度が複数ある中でも、この制度はあまり知られていません。家族に介護が必要になったとき「退職」を選択する方は多いです。介護をサポートできる制度があることを従業員に伝え、働き続けるための選択肢があると知ってもらいましょう。

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