二次健康診断、病院はどこになる?確認事項と申し込みの流れ

この記事でわかること
  • 二次健康診断の必要性と流れを知る
  • 二次健康診断の病院、実施の流れ
  • 二次健康診断の健診は、かかりつけの病院で受けられませんか?など

基礎知識

二次健康診断は、業務が忙しいと後回しになりがちです。しかし従業員が大きな病気にかかったあとでは、それ以上のコストがかかります。正しく運用し、全員が健康を保てるようにしましょう。

言葉の定義

二次健康診断等とは、労災保険の給付のひとつです。脳・心臓疾患の予防のために定期健康診断等(以下、一次健康診断)の結果で、一定の項目に異常所見があった従業員が医療費の負担なく健診(二次健康診断)や特定保健指導を受けることができます。健診などを受けられる病院は決まっており、健診を受けられるのは1か年度(4月1日~翌年3月31日)につき1回です。ただし脳・心臓疾患の持病がある人、症状がでている従業員は対象になりません。

なぜ必要?

二次健康診断を受けることで脳・心臓疾患の早期予防、早期発見につながります。従業員が健康に働くためにも、健康状態を把握することが大切です。

リスク

二次健康診断の健診は義務ではないため、従業員が健診を希望しないこともあります。対象従業員が健診を希望をしていないなどの理由から健診をさせていない、または健診を薦めていないと、脳・心臓疾患を発症したときに事業主に安全配慮義務違反が問われる可能性があります。

対象企業

二次健康診断の対象者がいるすべての企業

対象者

一次健康診断で「異常所見がある」と診断された従業員

実施期間

一次健康診断を受けた日から3か月以内

費用

企業、従業員の費用負担はありません

やること

一次健康診断の結果を整理する

従業員の一次健康診断の結果を整理し、二次健康診断の対象者を確認します。
健康診断の結果は、重大な個人情報です。取り扱いには注意をしてください。

【決めておくこと】
①一次健康診断の結果を取り扱う場所
②一次健康診断の結果の保管場所
③二次健康診断の該当者への説明の場所
④二次健康診断を受けている間の賃金支払いの有無
⑤二次健康診断の受けるための書類の準備期間

二次健康診断を受けているあいだの賃金支払をするかどうかは、企業で自由に決められます。従業員が健診を受けやすくするために、賃金を支払うことが望ましいとされています。

従業員の一次健康診断の結果を渡す

従業員へ一次健康診断の結果を渡します。
二次健康診断の対象者には、再度、健診を受けるよう伝えます。

【伝えること】
①対象者であること
②費用負担はないこと
③健診を受けられる期間(一次健康診断を受けた日から3か月以内)
④健診を受けるかどうかは本人が決められること
⑤健診を受けられる病院は決まっていること
⑥事前に企業が書類の準備は必要なこと(準備期間もつたえる)
⑦健診を希望であれば、早めの企業に伝えてほしいこと
⑧健診の結果を企業に報告してほしいこと

従業員から二次健康診断を健診の申込みを受ける

従業員から二次健康診断の健診の申込みがあったときは、企業は病院へ届出する「二次健康診断等給付請求書」を作成し、従業員に渡します。健診を受けられる病院も一緒に案内をしますが、企業が本人に代わって病院に予約することもできます。

二次健康診断を受けられる病院(サイトの下の方に都道府県ごとに分かれています)は以下からご確認ください。

【労災保険二次健診等給付医療機関名簿】
厚生労働省サイト |

ダウンロード

二次健康診断を受ける

従業員が二次健康診断を受ける病院に「二次健康診断等給付請求書」と一次健康診断の結果を届出し、健診を受けます。
二次健康診断を健診後、結果を企業へ提出してもらいます。

注意点

二次健康診断の結果を従業員が企業へ提出する義務はありません。
したがって拒むケースも出てきます。そのときは、報告をもらわないと業務上の配慮などの対策ができなことなどを伝え、提出してもらうよう促します。

医師の意見を聞きます

二次健康診断の結果を提出してもらった後、2か月以内に従業員の健康を守るために必要な措置について医師から意見を聞きます。必要に応じて就業上の措置(配置転換・短時間勤務・深夜業の回数削減など)を検討します。

健康を守るための措置を実施する

ステップ5で検討した就業上の措置を実施します。
二次健康診断の結果は、従業員の同意を得て企業で保管します。

よくある質問

Q:二次健康診断の健診は、かかりつけの病院で受けられませんか?

原則受けられません。

二次健康診断の受けられる労災保険で指定されています。かかりつけの病院が、二次健康診断を受けられる病院であれば健診は可能です。そうでないときは、個人的に健診を受けたことになり費用が発生します。

二次健康診断を受けられる病院(サイトの下の方に都道府県ごとに分かれています)

【労災保険二次健診等給付医療機関名簿】
厚生労働省サイト |

ダウンロード

Q:二次健康診断の費用は、立て替えないといけませんか??

立て替えなくてもよいです。
二次健康診断の費用は、現物支給です。したがって病院での支払いは発生せず健診を受ける(現物)ことができます。

Q:特別加入をしている役員は、二次健康診断を受けられますか?

受けられません。
二次健康診断は、賃金を支払われている「従業員」が対象です。特別加入は、従業員以外の報酬をもらっている事業主(社長など)や役員が労災に加入できる制度です。したがって、特別加入の役員は二次健康診断を受けることができません。

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難易度と必要性
難易度
★★☆
必要性
★★☆
HRbase Solutionsでの、必要性の考え方
法的に必要★★★ / 条件により必要★★☆ / 法的には不要だが会社には必要★☆☆
HRbaseからのアドバイス

二次健康診断を受けるかどうかは従業員本人が決められます。また、疾病の予防を目的にしているため「業務が忙しい」、「特に調子は悪くない」、「すぐ何かあるわけではないから」などの理由で受けない従業員も多いです。企業もつい業務を優先しがちです。ただし、一次健康診断で「異常所見」が見られたときは、病気が潜んでいて今後、重大な病気になる可能性があるということです。健康な状態で、よいパフォーマンスを発揮してもらえるよう、病気の「予防」を意識して取り組みましょう。

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