協会けんぽの社会保険の加入、どうすればいい? 書類と手続きの流れ

この記事でわかること
  • 社会保険の必要性と手続きの流れを知る
  • 社会保険の加入条件を知り、手続きを行う流れ
  • 社会保険に加入したくないという従業員がいます。など

基礎知識

従業員を雇用するとき、必ずしなくてはいけないのが社会保険の手続きです。抜け漏れがあれば、企業、従業員ともにリスクを負うことになります。

言葉の定義

社会保険とは、健康保険(介護保険含む)と厚生年金保険のことをいいます。
医療、年金、介護など、生活を送るために必要な保障です。健康保険の保険者(健康保険事業の運営主体)としては、協会けんぽや健康保険組合があります。ここでは、特定適用事業所以外で協会けんぽの加入している企業の役員・従業員(被保険者)に扶養者がいないケースを記載しています。

なぜ必要?

加入条件が法令等で定まっています。加入条件を満たしたときは、加入しなければなりません。また、ケガや病気などの医療費や何らかの理由で働けなくなったときの給付、高齢になったときの所得保障などを受けるために必要です。

リスク

加入条件を満たしているにもかかわらず未加入のときは、最大2年間遡って加入するよう年金事務所から指導される可能性もあります。そのときは、2年分の社会保険料と延滞金(最大年14.6%)をまとめて支払わなくてはなりません。

また、社会保険に正しく加入していなかったときは法令等で「6か月以下の懲役」または「30万円以下の罰金」に課せられる可能性があります。

対象企業

社会保険に加入が必要なすべての企業

対象者

社会保険に加入が必要なすべての従業員・役員

実施期間

随時

メリット

プライベートのケガや病気などで休業したときに傷病手当金(生活補償)が支給されたり、出産・育児関係で休業中に給付金がもらえたり、将来もらえる年金額が増えたりします。

やること

社会保険に加入が必要かどうかを確認をする

社会保険に加入できるかどうかは、法令等で定まっています。加入条件を満たしているときは必ず加入しなければなりません。正社員(短時間正社員含む)は加入が必要です。

【加入の条件】
以下の①②を満たすときは加入が必要です。
①週の所定労働時間が正社員と比べて3/4以上の従業員
②1か月の所定労働日数が正社員の3/4以上の従業員

【加入しなくていい従業員】
・雇用期間が2か月以内の従業員
・日々雇用される従業員(日雇い労働者)
・季節的業務に雇用される従業員
・臨時的事業の企業に雇用される従業員

社会保険に加入する従業員の情報を集める

社会保険の加入には以下の情報が必要です。

①氏名
②ふりがな
③生年月日
④性別
⑤加入日
⑥扶養者数
⑦賃金
⑤マイナンバー
⑥基礎年番号(マイナンバーの提出がないとき)
⑦住所(マイナンバーの提出がないとき)

POINT

・従業員から⑥マイナンバーまたは⑦基礎年金番号を提出してもらいます。
・⑥マイナンバーの提出があるときは、⑦基礎年金番号、⑧住所の記載は不要です。
・⑧住所は、住民票の住所を記載します。住民票の住所と異なるときは別途証明が必要になるときがあります。
・必要な情報は、採用のときの履歴書などでわかることが多いです。不足している情報は企業または従業員から集めます。

注意点

企業でマイナンバーを取扱える従業員は、事前に決めておかなけれなりません。その従業員以外がマインナンバーを取り扱ってはいけないと法令等で定まっています。担当者は企業で自由に決めてよいです。

書類を作成する

情報が集まったら、加入に必要な「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届/厚生年金保険70歳以上被用者該当届」を作成します。社会保険料を決める「報酬月額」の欄には、「基本給」、「諸手当(家族手当、精皆勤手当、固定残業代、通勤手当など)」を含めた賃金を記載します。

1か月を超える手当などは「標準報酬」に含まれないときもあります。毎月支給される手当以外は、支払い状況により「報酬月額」に含むかどうかが決まります。毎月支給される手当以外があるときは、事前に管轄の年金事務所へ問い合わせし、確認してください。

POINT

加入日は、入社日または社会保険に加入することになった日です。

【例】
正社員の所定労働時間:週40時間
パート社員
入社時:週5日勤務/1日5時間勤務
2021年5月1日より:週5日勤務/1日7時間勤務

加入日は2021年5月1日になります。
(正社員の3/4以上の勤務日数と勤務時間になったため)

事務センターへ届出をする

「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届/厚生年金保険70歳以上被用者該当届」を作成後、届出をします。

添付書類:なし
届出期限:加入日から5日以内
届出先:事務センターまたは管轄の年金事務所
届出方法:郵送または管轄の年金事務所へ持参(事務センターのときは郵送のみ)

健康保険証と通知書が企業へ届く

協会けんぽから「健康保険証」が、年金事務所から「健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書」が届出後1~2週間で企業へ届きます。健康保険証は、従業員へ渡します。

「健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書」は、社会保険料の計算に元になる「標準報酬月額」が記載されています。

「標準報酬月額」は、従業員へ通知しなければなりません。給与明細書の備考欄に記載する、通知書のコピーを同封するなどの方法で通知します。

よくある質問

Q:正社員で社会保険に加入したくないと言う従業員がいます。加入しなければなりませんか?

加入しなければなりません。
社会保険の加入条件は、法令等で定まっています。従業員が加入するかどうか選択できる制度ではありません。

Q:正社員と同じ時間数で働いているパート・アルバイトも社会保険に加入が必要ですか?

必要です。
正社員、パート・アルバイトなど雇用形態にかかわらず、社会保険の加入条件を満たしたときは加入しなければなりません。学生(大学生など)でも、加入条件を満たせば加入が必要です。

Q:社会保険の加入の手続きを忘れており、届出期限が過ぎてしまいました。今からでも届出はできますか?

できます。
届出期限が過ぎても社会保険の加入の手続きは可能です。添付資料は必要ありません。気がついたら、早急に手続きを進めてください。

Q:社会保険は、何歳まで加入が必要ですか?

健康保険は75歳、厚生年金は70歳まで加入が必要です。
厚生年金は、年金の受給状況などによって、継続して加入できることがあります。
70歳以上で加入をしたい方は、管轄の年金事務所へご相談ください。

Q:外国籍の従業員も社会保険の加入条件を満たせば、加入が必要ですか?

必要です。
国籍にかかわらず、社会保険の加入要件を満たせば加入しなくてはいけません。外国籍のときは、「厚生年金保険被保険者ローマ字氏名届」が加入の届出のときに必要なることがあります。

【必要になるとき】
・マイナンバーがないとき
・マイナンバーと基礎年金番号が紐付いていないとき

届出はステップ3の「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届/厚生年金保険70歳以上被用者該当届」と一緒に行います。届出先などは同じです。

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難易度と必要性
難易度
★☆☆
必要性
★★★
HRbase Solutionsでの、必要性の考え方
法的に必要★★★ / 条件により必要★★☆ / 法的には不要だが会社には必要★☆☆
HRbaseからのアドバイス

加入条件を満たしているのに、「本人が嫌がっているから」「パートだから」「加入すると保険料の負担が重いから」といった理由で社会保険の手続きをしない企業も少なくありません。社会保険の加入は厳格に法令等で定まっています。正しく加入させていないと、年金事務所の調査で指摘され、最大2年間遡って加入手続きの実施や未支払いの社会保険料に年利14.6%の延滞金が加算されることもあります。年金事務所の調査は、年々厳しくなってきています。調査が厳しくなったからではなく、従業員の将来の年金などにも影響がありますので、正しく手続きをしてください。

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