- 退職証明書の必要性と発行までの流れを知る
- 退職証明書の記載項目を知り、発行する
- 記載する項目は、必ず従業員に確認しないといけませんか?など
基礎知識
退職証明書の発行を希望する退職者の方が増えています。トラブルを防ぐためにも、発行の希望があったときは、速やかに発行することをおすすめします。
言葉の定義
退職証明書は、退職者(退職予定者)からの希望があったときに企業が発行する書類です。在職期間や仕事内容などを証明する書類で、記載する項目は法令で定められています。また、本人が希望した項目のみ記載するよう法令等で定められています。
なぜ必要?
退職証明書は退職者が、国民健康保険や国民年金の手続きを行うときや、転職先から提出を求められときなどに必要になります。退職者(退職予定者)が希望したときは発行しなければならならいと法令等で定められています。
リスク
退職者(退職予定者)が発行を希望したにもかかわらず、企業が発行しなかったときは法令等違反となり「罰金30万円以下」に課せられる可能性があります。
対象企業
すべての企業
対象者
退職者または退職予定者
実施期間
随時
退職証明書の書式を準備しておく
退職証明書の書式は任意のため、企業が自由に決められます。
退職証明書の証明の項目は以下のとおりです。
①使用期間
「◯年◯月◯日~◯年◯月◯日」など企業で雇用していた期間を記載します。
②業務の種類
「営業職」「事務職」など担当していた業務を記載します。
③その事業における地位
「◯◯事業部 部長」、「◯◯課 主任」など退職時の役職を記載します。
④賃金
退職時の年収や月給の詳細(基本給◯◯円、▲▲手当◯◯円)など退職者がどのくらいの賃金だったかを記載します。
⑤退職の事由(解雇のときはその理由)
「自己都合退職」、「定年」、「期間満了による退職」など退職した理由を記載します。
退職者(退職予定者)から退職証明書の発行を希望される
退職者(退職予定者)が退職証明書の発行を希望してきたときは、ステップ1のどの項目の証明が必要か、確認をします。
退職証明書を発行する
退職証明書を発行し、本人に渡します。発行したときは、企業の控えとしてコピーを取っておきます。
退職証明書は、本人が「希望した項目のみ」記載してください。
本人が希望していない項目の記載はしてはいけません。
コピーを保管する
発行した退職証明書のコピーを企業で大切に保管します。
よくある質問
Q:記載する項目は、必ず従業員に確認しないといけませんか?
しないといけません。
本人が証明を希望した項目以外は、証明をしてはいけません。したがって、どの項目を証明してほしいのか確認が必要です。
Q:退職証明書の再発行の依頼がありました。再発行は必要ですか?
必要です。
退職証明書の発行の回数は法令等で定められていません。したがって、退職者が希望すれば何回でも発行が必要です。
Q:退職証明書は、退職者に必ず発行しなければいけませんか?
しなくても差し支えありません。
退職証明書は、本人が希望したときのみ発行が必要です。また、本人が希望している項目のみの証明になるため、企業の判断での発行はお控えください。
Q:退職証明書は、いつまで発行の希望に対応しないといけませんか?
退職日から2年です。
Q:退職証明書の発行を拒むことはできますか?
できません。
退職証明書は、法令等で発行が定められている書類です。したがって、本人が希望したときは必ず発行しなければなりません。
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難易度と必要性
法的に必要★★★ / 条件により必要★★☆ / 法的には不要だが会社には必要★☆☆
HRbaseからのアドバイス
退職証明書を発行を希望する退職者の方が増えています。退職者にとっては、次の就職先の企業への信用を証明する大切な書類でもあります。発行が遅れると、退職者が手続きできなかったり、不利益を受けたりすることもあります。トラブルを防ぐためにも、発行の希望があったときは、速やかに発行することをおすすめします。
社会保険労務士。株式会社Flucle代表取締役/社会保険労務士法人HRbase代表。労務管理の課題をITで解決できる社会を目指す。HRbase Solutionsは三田をはじめとする社会保険労務士、人事労務の専門家、現場経験の豊富なプロと、記事編集者がチームを組み「正しい情報×徹底したわかりやすさ」にこだわって作り上げているQAサイトです。