有期雇用の従業員の「無期雇用転換制度」ってどんな制度?

この記事でわかること
  • 無期雇用転換の申込み権は従業員の権利だということ
  • 無期雇用へ転換後の労働条件を決める流れなど
  • 無期転換の申込みがあったときは正社員になるのか

基礎知識

5年以上雇用している従業員がいる、すべての企業が関係する制度です。運用方法を知り、正しい管理を行います。

言葉の定義

無期雇用転換とは、有期雇用契約で働く従業員が、同じ企業で通算5年を超えて雇用されたときに、有期雇用から期間の定めのない労働契約(無期雇用契約) に転換される制度です。

なぜ必要?

有期契約を結ぶ従業員から無期雇用転換への申込みがあったときは、必ず無期雇用転換をしないといけません。申込時の有期契約が終了する日の翌日から、無期労働契約となります。企業は申込みを拒めません。

リスク

無期雇用転換制度は法律で定められています。無期雇用転換の申込権は従業員の権利です。企業が丁寧に対応しないと、従業員との信頼関係が壊れるだけでなく、貴重な戦力を失いかねません。また、紛争になることもあります。

対象企業

有期契約を結ぶ従業員がいるすべての企業
定年後の再雇用契約を有期契約で結ぶすべての企業

対象者

有期契約の従業員

実施期間

随時

メリット

無期雇用契約を結ぶことで、従業員の雇用が安定します。
従業員が長期的なキャリアを図ることができ、安心して働けます。

デメリット

繁忙期や閑散期などには、雇用の調整がしにくくなります。
長期雇用を目的にしていない有期契約の従業員が無期雇用になります。

新規CTA

やること

有期雇用の従業員を確認する。

2013年4月1日以降に結ばれた雇用契約が、通算して5年を超える有期雇用の従業員が無期雇用転換の対象です。

【例】
Aさん
[入社]2012年4月1日
[契約期間]2012年4月1日~2013年3月31日の1年間更新
[無期雇用転換申込権の発生日]2018年4月1日以降
Bさん
[入社]2012年4月1日
[契約期間]2012年4月1日~2015年3月31日の3年間更新
[無期雇用転換申込権の発生日]2015年4月1日以降
2回目の更新で通算6年の雇用契約になるため、無期雇用転換申込権が発生します。

【確認すること】
・有期雇用の従業員の有無
・有期雇用の従業員の人数
・2013年4月1日以降の雇用契約の状況
・更新回数 など

【無期雇用転換申込権が発生する要件】
・同じ企業での有期契約の期間が通算して5年を超えている
・1回以上契約が更新されている

労働条件などのルールを決める

有期雇用から無期雇用へ転換したときの、労働条件などのルールを決めます。

【決めること】
・無期雇用転換の申込み方法
・無期雇用転換後の労働条件(賃金、勤務時間、定年など)
・無期雇用したあとの業務内容
・無期雇用転換後に適用される就業規則 など

注意事項

従業員から質問を受けたときに、なぜその労働条件なのか説明ができるようにしておきましょう。

無期雇用転換のルールを従業員に周知する

メール、回覧、掲示、朝礼で伝えるなど、周知方法は自由に決めて構いません。

決めたルールを就業規則に明記する

ルールを就業規則に明記し、労働基準監督署へ届出します。
従業員数10名未満のときは、労働基準監督署への届出は必要ありません。

注意事項

従業員からなぜ変更になったのか、どのような基準で変更となるのか説明を求められたとき対応できるよう、変更基準などを明確にしておきましょう。

有期雇用の従業員からの無期転換の申込を受ける

有期雇用の従業員から無期雇用転換の申込みがあったときは、対象者かどうかを確認します。
対象であれば、いつから無期雇用になるのか、無期雇用の労働条件を説明します。

注意事項

無期雇用は「正社員」とは違います。雇用期間の定めがなくなり、雇用契約の更新がない契約になります。
したがって、賃金や勤務時間などを正社員と同等で扱わなくても差し支えありません。

無期雇用の雇用契約を結ぶ

【例】
Aさん
[入社]2012年4月1日
[契約期間]2012年4月1日~2013年3月31日の1年間更新
[無期雇用転換の申込みをした日のある雇用契約期間]2018年4月1日~2019年3月31日
[無期雇用転換を申込みした日]2018年5月1日
[無期雇用への転換日]2019年4月1日

よくある質問

Q:派遣社員でも無期雇用転換の申込ができますか?

できます。
派遣会社(派遣元)と結んでいる有期契約期間が通算して5年を超えたときに、無期雇用転換申込権が発生します。申込みを行えば、申込みをした日がある雇用契約の終了日の翌日から、派遣会社(派遣元)で無期雇用として雇用契約が成立します。派遣元との間に期間の定めがない労働契約が成立します。

Q:有期契約での期間が通算5年を超えたら、自動的に無期労働契約に転換になりますか?

なりません。
無期雇用転換は、従業員からの申込みがあって初めて成立します。無期雇用転換の申込みが従業員からないときは、無期雇用転換しなくても差し支えありません。

Q:従業員から無期転換の申込みがあったときは正社員ということでしょうか?

正社員でありません。
有期雇用から雇用期間の定めない無期雇用になります。雇用期間以外の賃金や勤務時間などの労働条件は、有期雇用のときと同じでも差し支えありません。

Q:定年後、再雇用し1年毎に契約を更新しています。無期雇用転換の対象になりますか?

なります。
無期雇用転換申込権には、年齢制限はありません。したがって、定年後、再雇用し有期雇用で雇用契約が通算5年を超えたときは無期雇用転換申込権が発生します。

ただし、企業で定年を迎えた従業員については、無期雇用転換申込権が発生しなくなる特例措置があります。特例措置を取り入れるためには「第二種計画認定・変更申請書」を労働局に提出し、認定を受けなければいけません。第二計画認定・変更申請書」の提出先等は以下を参照してください。

申請先:管轄の労働局 雇用環境・均等室
申請方法:郵送または持参
添付書類、記載方法:パンフレットを参照してください

Q:退職した有期雇用の従業員を再度、有期雇用で採用します。通算5年は、退職前の勤務していた期間も含まれるでしょうか?

退職日から入社する期間によります。退職し入社までの期間と退職前の有期契約の期間がどのくらいあるかによって、退職前の雇用契約期間を通算するかどうかが決まります。以下の「雇用契約がない期間」で退職前から入社までの期間があいていれば、通算しなくても差し支えありません。

退職前の有期雇用の期間 雇用契約がない期間
2か月以下 1か月以上
3か月~4か月 2か月以上
5か月~6か月 3か月以上
7か月~8か月 4か月以上
9か月~10か月 5か月以上
11か月~ 6か月以上

難易度と必要性

難易度
★★☆
必要性
★★★
HRbase Solutionsでの、必要性の考え方
法的に必要★★★ / 条件により必要★★☆ / 法的には不要だが会社には必要★☆☆
HRbaseからのアドバイス

有期雇用といいつつも、雇用契約の更新が形骸化している企業が多いのが現状です。そのため、通算5年を超えるのがいつなのかも、はっきりしないという企業があります。この制度は働く人の権利ですから、従業員から急に申し出がある可能性もあります。まずは、雇用契約を見直し、状況の確認をしておきましょう。

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