専門業務型裁量労働制、どうする? 検討のポイントと運用の流れ

この記事でわかること
  • 専門業務型裁量労働制について知る
  • 専門業務型裁量労働制の導入する流れなど
  • 労働時間を1か月単位で決めることはできますか?など

基礎知識

労働時間の管理は、日本型の労務管理で重要なポイントです。専門業務型裁量労働制を知り、正しく運用できるようになりましょう。

言葉の定義

専門業務型裁量労働制の対象となる業務は、法令等で定められています。インテリアコーディネーター、システムコンサルタント、放送番組のディレクター、税理士など専門性が高く、業務の手順や時間配分を企業が具体的に指示をするのが難しい業務です。そのため、業務の手順や時間配分は従業員が決めます。また、1日の労働時間は、事前に労使協定で決めておきます。

なぜ必要?

労働時間の把握や業務の指示を行うのが難しい職種に、従業員の裁量で働いてもらえます。

リスク

労働基準監督署へ労使協定の届出を行わず専門業務型裁量労働制を利用したときは、法令等違反となり「30万円以下の罰金」が課せられる可能性があります。

対象企業

専門業務型裁量労働制の業務を行っているすべての企業

対象者

専門業務型裁量労働制の業務を行っている従業員

実施期間

随時

メリット

労働時間の縛りがなく、従業員の裁量で柔軟に業務を進められます。労働時間は労使協定で決めるため残業代の削減に繋がります。

デメリット

労働時間の縛りがないため、従業員がオーバーワークになる可能性があります。

やること

専門業務型裁量労働制を導入するか検討する

専門業務型裁量労働制は、対象となる業務が決まっています。対象となる業務で働いている従業員がいるとき、以下の内容を確認の上、導入を検討します。

①業務の遂行の手段や方法は従業員本人の裁量となっているか
②時間配分は、従業員本人の裁量となっているか

POINT

定められた業務以外は対象になりません。
業務の種類は、添付のパンフレットを参考にしてください。

参考・ダウンロード|厚生労働省
専門業務型裁量労働制 |ダウンロード

専門業務型裁量労働制の労使協定の内容を決める

労使協定で記載が必要な内容(①~⑦)を検討し、決めていきます。

①対象とする業務
どの業務が専門業務型裁量労働制の対象となるかを決定します。

②1日あたりの労働時間
対象業務を行うのに、1日何時間働いたことにするかを決めます。

③業務の進め方、時間配分などを企業が具体的に従業員へ指示しないこと
業務の進め方や時間配分は、従業員の裁量に任せることを明記します。企業は業務の進め方などを指示できません。

④従業員の健康および福祉に関する措置
数か月に1回の健康状態のヒアリング、健康診断の実施、健康に関する相談窓口を設けるなどの具体的な措置を決めます。

⑤従業員からの苦情に関する措置
従業員の労務管理や処遇に関する相談窓口を設置します。また、相談内容が解決できるよう体制を整えます。

⑥労使協定の有効期間
有効期間に上限はありません。専門業務型裁量労働制の労働時間は、労使協定で決定した時間でみなすため、実際の労働時間と労使協定の労働時間が乖離してしまうことがあります。
また、労使協定の締結から時間が経過すると内容が実態とあわなくなってくることもあります。そのため、定期的に見直しをするために有効期間は3年以内が望ましいです。

⑦従業員ごとに④および⑤の措置の記録の保存
労使協定の有効期間およびその期間満了後、3年間保存が必要です。
その他、時間外労働、休日出勤、深夜労働についても決めておくことをおすすめします。

労使協定の作成などを行う

就業規則に制度内容の記載や、労使協定の作成を行います。

従業員に制度の説明をする

専門業務型裁量労働制の導入が決まったら、従業員に説明します。

労働基準監督署へ届出をする

就業規則と労使協定は、管轄の労働基準監督署へ届出するため2部ずつ用意します。労働基準監督署へ届出後は受付印を捺印された後、1部は企業控えとして、1部は労働基準監督署で保管されます。なお、従業員数10人未満のときは就業規則の届出をしなくても差し支えありません。
また、届出した就業規則、労使協定は従業員に周知が必要です。

添付書類:なし
届出先:管轄の労働基準監督署
届出方法:郵送または持参

運用をスタートする

専門業務型裁量労働制が正しく運用されているか随時確認をします。

【確認事項】
①労使協定で締結した内容と異なる運用になっていないか
②上司が業務の進め方や時間配分の指示をしていないか
③従業員がオーバーワークになっていないか など

よくある質問

Q:休日労働や深夜労働をしたときは、割増賃金の支払いは必要ですか?

必要です。
休日労働や深夜労働は、法令等どおりの支払いが必要です。

Q:専門業務型裁量労働制の対象になっている従業員に、上司が業務の進め方について随時指示できますか?

指示はできません。
専門業務型裁量労働制は、業務の進め方、労働時間を従業員が自由に決められる制度です。そのため、業務の進め方について指示はできません。
従業員に対して具体的、または随時指示を行っているときは、専門業務型裁量労働制とはならず、労働時間の管理などが必要になってきます。

Q:労働時間を1か月単位で決めることはできますか?

できません。
労働時間は1日にあたりでしか決められません。

難易度と必要性
難易度
★★★
必要性
★★★
HRbase Solutionsでの、必要性の考え方
法的に必要★★★ / 条件により必要★★☆ / 法的には不要だが会社には必要★☆☆
HRbaseからのアドバイス

専門業務型裁量労働制の運用は、法令等で定められています。対象となる業務も明確に定められていますが、企業が独自に解釈を変えて運用をしていいものではありません。1日の労働時間をあらかじめ労使協定で決めておくので、遅刻や早退、残業などの管理は基本的にはなく、従業員の能力と成果で業務を行ってもらえる特徴があります。

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