法定三帳簿(労働者名簿・賃金台帳・出勤簿)をととのえるには? 作成 / 管理 / 保管の注意点

この記事でわかること
  • 法定三帳簿の必要性や対象者、作成しなかったときのリスクなど
  • それぞれの帳簿に対し、必要な記載項目と、注意点を知る
  • 様式や、保管の期間についてなど

基礎知識

法定三帳簿の必要性等を理解し、作成・管理・保管を徹底します。

言葉の定義

法定三帳簿とは、労働者名簿・賃金台帳・出勤簿の3つを指します。

なぜ必要?

  • 従業員を1人でも雇用していれば、法定三帳簿の作成・管理・保管が必要です。
  • 労働基準法・労働基準法施行規則にそのように記載されています。

リスク

作成・管理・保管していないとき、労働基準法により30万円以下の罰則があります。また、労働基準監督署が行う調査時に帳簿の提出を拒否したり、嘘の記載をしていたときは処罰の対象となります。

対象企業

企業規模に関係なく、従業員を1人でも雇っているすべての企業で、作成・管理・保管が必要です。※ただし日雇い労働者は除きます。

対象者

雇用形態は関係なく、正社員・契約社員・パートタイマー・アルバイトを含めたすべての従業員が対象です。※ただし、日雇い労働者は除きます。

実施期間

まずは基本となる帳簿を用意し、従業員が入社するたびに追加していきます。

【労働者名簿】作成後、変更があるたびに更新
【賃金台帳】給与支払いごと
【出勤簿】毎日の記録が必要

やること

労働者名簿を作成する

法定三帳簿は、従業員ごとに作成します。記載の内容は法律で決まっています。

【記載が必要な項目】
・従業員の氏名
・住所
・生年月日
・履歴(※異動、役職変更など社内での履歴)
・業務の種類
・雇入の年月日
・退職年月日およびその事由 (退職の理由が解雇のときはその理由も含む)
・死亡年月日およびその原因

注意点

従業員数が30人未満のときは、業務の種類は記載不要です。
また、記載内容に変更があったときは、その都度変更して保管します。

賃金台帳を作成する

記載の内容については法律で決まっています。

【記載が必要な項目】
・氏名
・性別
・賃金計算期間
・労働日数
・労働時間数
・時間外労働時間、休日労働および深夜労働の時間数
・基本給、各種手当項目とその金額(※その他賃金の支給があるときはその項目と金額)
・賃金の控除があったときはその項目と金額

注意点

管理監督者は、労働時間、時間外労働、休日労働の時間数を記載しなくてもよいとされていますが、深夜労働の時間数については記載が必要です。また給与計算ソフトで出力するときは、記載内容に漏れがないか注意してください。

出勤簿を作成する 

記載の内容については法律で決まっています。

【記載が必要な項目】
・氏名
・出勤日
・始業および終業時間
・休憩時間

注意点

タイムカードやICカードでも、打刻時間を労働時間としていれば出勤簿として代用できます。打刻時間と実際の勤務時間が異なるケース、たとえば「打刻の1時間後に勤務スタート」などのときは、正しい時刻に修正する必要があります。

よくある質問

Q:保管期間はどれくらいですか?

3年間です。ただし賃金台帳と源泉徴収簿を兼ねるときは7年です。

Q:決められた様式はありますか。 

ありません。ただし記載内容に漏れがないよう注意してください。

Q:帳簿を保管する期間の起算日はいつですか?

それぞれの帳簿によって違います。

・労働者名簿:退職した日または解雇の日、従業員が死亡した日
・賃金台帳:最後に支払う賃金の計算が完了した月の末日
(例:賃金締め日が末日、支払日が翌月20日のときで、退職日が11月30日なら、起算日は12月20日)
・出勤簿:退職日

Q:紙ベースで保管をしなければいけませんか?

いいえ、電子データでも保管可能です。事業場や支店など複数あるときは、事業場、支店別でまとめて保管します。労働基準監督署などの調査時や、行政機関に提出を求められたときに、すみやかに対応できるように保管してください。

 

難易度と必要性
難易度
★☆☆
必要性
★★★
HRbase Solutionsでの、必要性の考え方
法的に必要★★★ / 条件により必要★★☆ / 法的には不要だが会社には必要★☆☆
HRbaseからのアドバイス

もし、作成ができていない帳簿があれば、すぐに管理をはじめましょう。賃金台帳と出勤簿は、雇用保険の手続きなどでも必要になります。保管・管理がされていないと、保険手続きがスムーズにいきません。出勤簿は、出勤のたびに従業員に記録してもらいます。もし正しく記録できていなければ、ルールを決めて周知し、指導が必要です。

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